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新那覇市民会館について

出典:日刊建設工業新聞

新那覇市民会館について

てんぶす那覇前に新たに信号が設置されていました。

桜坂中通りと国際通りの交差点はこれまで信号は設置されておらず、とても危険だと思っていました。
国際通りは観光地なので歩行者と車両がとめどなく流れてきます。
桜坂中通りを走行している車両は、国際通りの歩行者と車両が途切れる合間を狙って横切っていました。
新たに信号が設置されたので安全に車両と歩行者を捌けます。

しかし、国際通りを走行する車両にとっては短い間隔で信号に引っかかってしまいます。

蔡温橋からむつみ橋までGoogleマップで調べてみると約450mでした。
その間に6箇所も信号があります。
ただでさえ国際通りとその周辺は交通渋滞地域。それに信号連発だとストレスがたまりそうです。
観光客向けバスの路上駐車や某キャラクターに扮したカートも多く見かけます。本当に邪魔です。
沖映大通りや一銀通りからも車両は入ってくるので、国際通り周辺を車両で走行するのは憚られます。

久茂地小学校跡地への新那覇市民会館移設計画は本当に大丈夫なのでしょうか?
新那覇バスターミナルへの県立図書館移設もあります。
すなわち、与儀地域から市民会館と県立図書館がなくなるのです。那覇市中央図書館も相当劣化しているので、立替なのか移設なのかわからないけどきっとそう遠くない時期になにかあるでしょう。

中心市街地への密集がとまりません。

新市民会館予定地周辺には既存の劇場やホールがあるので、わざわざそこに作らなくても良い気がします。
一応、新市民会館と周辺の劇場やホールとでは収容規模に大きな差は存在します。

  • 新市民会館 →大ホールで1601席、小ホールで306席の予定。
  • 市民劇場 →固定席391席+車椅子席4席+親子席8席、合計403席→こちら
  • タイムスホール →シアター形式で356席+車椅子2席。スクール形式で126席→こちら
  • テンブスホール →通常246席、定員300人。→こちら
  • ひやみかちまちぐゎー館 →キャパ情報は調べても不明でした
  • 琉球新報新本社 →3~5階に600人収容のホールを予定→こちら

こう見ると周囲のホールや劇場とは比にならない規模です。
でも、そもそも1600人規模のホールが本当に必要なのかな?
現市民会館は2016年10月に閉鎖され、現在は他の施設で代替されています。
ある程度は既存の施設で代替可能なのではないでしょうか?
2015年5月~2016年9月の現市民会館の催し物案内を見ていると、
一番多く使われたのは2016年3月です。大ホールが14日使用され、中ホールが13日使用されました。
(内12日は確定申告会場として使用)
一番少ないのは2016年2月です。大ホールは1日も使用されず、中ホールの1日だけの使用でした。

那覇市HPに市民会館稼働率に関するPDFがありました。→こちら
一部引用しますと、

平成22年:大ホール入場者数→128,316人 中ホール入場者数→27,795人 大ホール利用件数→169件
平成23年:大ホール入場者数→107,110人 中ホール入場者数→26,635人 大ホール利用件数→177件
平成24年:大ホール入場者数→114,284人 中ホール入場者数→25,014人 大ホール利用件数→162件
まず、入場者数は、市民会館の利用者(主催者)が申告した数の合計数であるが、正しい数字を把握できていない利用者(主催者)もいるものと思われるし、利用者(主催者)の自己申告であるから、入場者数の合計数は、必ずしも正しい数字だとは言い難い。
稼働率(1回でも利用があった日/稼働できる日)は、大ホールで約60%から約70%、中ホールでも約70%から約80%であり、決して悪い数字ではないと思われる。しかし、上記稼働率は、1日に1回でも利用があれば稼働があったものとみなした集計数字であり、夜間だけの利用の場合で、昼間に利用がなかった場合でも、利用があったものと集計されている。
(略)
平成24年の支出は、人件費込みで1億5,126万8,886円。
収入は、施設使用料で年間3,041 万4,654円である。 以上より、市民会館は、年間約1億2,000万円のマイナスとなっている。

稼働率の試算方法は良いように見積もった結果な気がします。
厳しく見積もれば、平成22年〜24年の大ホール利用数の平均は約170件、年間の半分以上は稼働していないということです。
(※稼働できない日を考慮せず、年間365日で見た場合)
大ホールで行われる催し物1件あたりの入場者数はどの程度なのでしょうか?
催し物案内を見てみると、多くは行政の会場利用や公立校の発表会が目立ちます。
1600席も本当に必要なのでしょうか?
単純な試算なのですが、平成24年の大ホールの入場者数を利用件数で割ると催し物1件あたりの入場者数は705人ということになります。
余裕ある席数を確保しておくのは重要ですが、オーバースペックではないのかな?
那覇近郊には国立劇場おきなわ(大劇場632席)や浦添市てだこホール(大ホール1001席)もありますし、新市民会館が1600席規模で作る意味は?
中ホール規模なら既存のテンブスホールやパレット市民劇場、民間施設でも代替可能な気がします。(確定申告は沖縄タイムスビルで代替している)
それに本島中南部地域には、県運営の宜野湾コンベンションセンターがあります。展示場は4120席、劇場は1709席もあります。そこで賄えるのではないですか?
なんで那覇市で1600席規模の施設を作り、隣の浦添市で1000人規模の施設を作る意味があるのでしょうか?
西洲から西海岸道路も開通し、宜野湾コンベンションセンターへのアクセスはさらに良くなります。

新那覇市民会館予定地周辺は片道1車線で狭いし、交通渋滞地域でもあります。
モノレール等の公共交通機関が充実してるとは言え、車社会の沖縄では結局は車利用が多くなりそう。
市民会館で行われるコンサートは年配者向けの古典芸能や一行一座による民謡やお芝居が多い気がします。
若者向けのコンサートはコンベンションセンターや民間のライブ会場が使わるのではないでしょうか?
年配者なら尚更、公共交通機関の利用より家族による車送迎が多くなりそうな気がします。
モノレールの利用も高齢者にとってはハードルが高そう。市内全域をモノレールがカバーしているわけでもないし。
那覇市の説明では現市民会館の場所より新市民会館予定地のほうが交通の利便性が勝ると言っています。

現市民会館場所 →公共交通機関はバス路線のみ。
約60系統の路線があり、平日の便数は約1100便、土日の便数が約900便。
周囲の道路は片道2車線の広い幅員だが、交差するひめゆり通りも交通渋滞路線であり渋滞緩和が求められている。

新市民会館予定地 →公共交通機関はモノレールとバス路線。
県庁前駅と美栄橋駅から約400mの場所で、2つの駅が利用可能。
路線バスも約100系統あり、平日の便数が約2300便、土日の便数が約1900便。
国際通りと国道58号に挟まれた立地条件や利便性、中心市街地の活性化が期待できる。
公共交通機関利用の促進から、大規模駐車場や幅員拡張は考えておらず、逆に歩行者密度上昇の懸念から歩道は拡張する。久美橋開通や久茂地橋の交差点化、一銀通りの右折帯設置、一銀通りとニューパラダイス通りを結ぶ道路整備などで渋滞緩和が望める。

新市民会館予定地周辺に公共交通機関が多いのは、それだけ人が密集しているからで、それに上乗せで新市民会館から派生する人の流れも重なれば大変なことになりそう。
例えばキャパ満員御礼の公演があり、終演時刻に1600人が流れ出ると公共交通機関もいっぱいいっぱいでしょう。
しかも行政金融商業の中心地で、車通勤より公共交通機関の利用者がもともと多い地域でもあるから帰宅ラッシュ時刻と重なれば悲惨なことになる気がします。
春節や夏休み、GW時期は多くの観光客も公共交通機関を利用します。
クルーズ船や沖縄数次ビザの効果など、いろいろな要因で沖縄県入域観光客数は900万人を突破しました。
那覇市の入込観光客数は平成28年度で751万人を記録しています。
そのうち訪れた観光地の1位は88.5%で「国際通り」 4位にも46.5%で「牧志公設市場周辺」がランクインしています。→平成28年度版那覇市の観光統計
しかもこの資料では「公共交通機関について」観光客に調査したアンケートも掲載されています。

  • ゆいレールの本数が少ない。お盆の時など乗車人数が多くさらに車内が暑く不快だった。
    レンタカーの移動で市内が混雑しており、目的地まで渋滞し時間が読めなかった。(大阪20代女性)
  • ゆいレールのダイヤについてもっと増やして欲しい(東京40代男性)
  • モノレールはいつも混雑している(愛知40代男性)

などすでに観光客からもモノレールのダイヤに関しては不満があるようです。
(公共交通機関の利用に慣れている、東京・愛知・大阪の三大都市圏から来た観光客ですらそう思っているのなら、相当なのでしょう)
現市民会館場所と新市民会館予定地では2倍以上の公共交通機関の差があるかもしれないけど本当に大丈夫なのでしょうか?
そもそも、車社会ズブズブの沖縄県民に公共交通機関の利用促進は成功するとは思えません。
例えば、那覇市役所は県庁前駅から徒歩5分、400~500m離れた場所にあります。これは新市民会館の条件と似ています。
那覇市役所の駐車場(174台収容)は交通渋滞緩和などを目的として有料化されました。しかし、那覇市役所の駐車場は常に満杯。周辺の道路に待ちの列ができるほどです。
本当に那覇市が描いている公共交通機関利用促進は現実になるのでしょうか?
車社会の根深さを甘く見ていないでしょうか?

那覇の帰宅ラッシュ時刻は18~20時頃がピークだと思います。
Google交通状況で18時と20時頃を見てみると

↓18時

↓20時

↓2018年3月16日20時30分頃の状況

確かにひめゆり通りも渋滞路線ではありますが、国道58号や国際通りも十分に渋滞路線な気がします。
しかも、日曜の歩行者天国や一方通行の多さは国際通り周辺の特徴です。
久茂地川の隔たりも無視できません。
新市民会館建設に伴う一銀通りの渋滞緩和策は本当に渋滞緩和に繋がるのでしょうか?
数ブロック離れた場所で別の渋滞発生に繋がったりはしないのでしょうか?

那覇市は上記の公共交通機関利用促進等による渋滞緩和策と、すでに策定等が進み交付決定も受け、沖縄振興特別推進交付金(一括交付金)の活用が平成33年度までと決まっていることから見直しは考えていないとのことです。見直しで工事延長になると、市の一般財源で賄うことなり大きな財政負担となるからです。
牧志公設市場の件や龍柱の件、真和志線拡張工事の工期延長など那覇市は見積もりが甘い気がします。
牧志公設市場では移転案が反対にあい、現在地での立替案になりました。現在も調整中です。
龍柱建設では、建設費(2億6700万円)の8割を一括交付金で賄う予定でしたが、工期延長により交付の一部が受けられず、1億円あまりを市が補正予算で賄うこととなりました。
(※龍柱に関してはあらゆる主義主張や政治思想が存在します。その面に関してはノーコメント。単純に見積もりの甘さの一例として取り上げました。)
新那覇市民会館の費用は138億円になる見通しです。(周囲の道路整備も含めるとさらに増える可能性あり。)
文化拠点施設は必要だと思いますが、決定ありきで進めず、削減できる部分があるのなら削減し、周囲の既存施設の利用促進等も踏まえ、あらゆる可能性を熟慮すべきでしょう。

新那覇市民会館について-その2へ続く

新那覇市民会館について-その2
那覇市文化芸術発信拠点施設(新市民会館)の欠点について書きました。
記事中の情報

那覇市-那覇市新文化芸術発信拠点施設整備事業について

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