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軽便鉄道那覇駅の転車台が公開

2019/05/11更新:軽便鉄道那覇駅の転車台は移設保存へ。与那原線の遺構も併せて紹介。
2019/05/18更新:軽便鉄道那覇駅の転車台に関する続報

当ブログでは過去に2つの記事で、沖縄県営鉄道(軽便・ケービン鉄道)那覇駅の転車台遺構について紹介してきました。
この度、整備が完了し、2019年6月1日に一般公開されました。

2015年、旭橋再開発の工事中に当遺構は出土し、近くの広場に移設保存されることが決まっていました。
遺構の周囲は柵で囲われ内部への立入は禁止となっていますが、当時の様子を現在に伝える写真や説明板、6分の1模型なども設置され、見ごたえのある文化財に生まれ変わっております。

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資料

2019年5月30日、那覇市役所はHP上で転車台遺構に関するPDFを公開しました。
以下、『沖縄県営鉄道「転車台」遺構の公開について』(PDF)より一部抜粋し紹介します。

大きく分けて3つの部分から構成される。
円形状のコンクリート基礎部と、その上部のレンガをイギリス積と呼ばれる方法で積み上げた円形状の本体部、中央に位置する方形の転車軸部。
※イギリス積:長手の段と小口の段を交互に配置。縦方向の目地が一直線に並ばないようにして強度を保つ積み方。

【規模】
直径:約6.8m(レンガを円形に積み上げた本体部)
高さ:約1.1m(コンクリート製基礎から、最も残りの良いレンガ上部まで)

①レンガ積の本体部(2段構造)
1段目:幅約95cm(レンガ4段積)
2段目:幅約50cm(最も残りの良い部分でレンガ5段積)
※終戦直後の写真から2段目は本来13段積を推測される。

レンガのサイズ
長さ:約22~24cm 幅:約11cm 厚さ:約5.8~6cm

②コンクリート基礎部
幅:約1.3~1.5m 高さ:20~40cm
※南側の基礎部に排水溝として、直径約12cmの陶管が埋め込まれている。

③転車軸部
縦・横:約1.4m(本来は正方形を推測されるが東側が破損している)
高さ:約50cm
※中心部は縦・横約60cm方形状にくり抜かれる。

出典:『沖縄県営鉄道「転車台」遺構の公開について』(PDF)

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写真集

↑10時過ぎに覆っていたブルーシートが剥がされた

↑上からみた全景

↑イギリス積

↑2段構造

↑転車軸、一部破損

↑6分の1模型

↑夜はライトアップ

説明板

新たに説明板も設置されました。拡大写真はこちらをクリック(1.34MB)

以下、説明板「沖縄県営鉄道那覇駅跡出土の転車台遺構」より引用
沖縄県営鉄道那覇駅は、沖縄戦による破壊や戦後のバスターミナル建設等によって当時の施設は全て残っていないと思われていました。ところが、再開発工事中に、当時の駅構内にあった施設の遺構が発見されました。発掘調査の結果、遺構は沖縄では唯一那覇駅だけに設置されていたと言われる、機関車を方向転換させるための「転車台」と呼ばれる施設であることがわかりました。
「転車台」遺構はコンクリートの基礎とその上にレンガを積み上げたドーナツの形をした構造で、かなり破壊されていましたが、全体の形がほぼわかる状態で残っていました。大きさは直径約6.8m、高さは最も残りの良い部分で最大約1.1mあります。
基礎部分の地中には、直径約18m前後の木杭が多数埋め込まれていました。これは、那覇駅一帯が埋め立て地で地盤が軟弱なため、「転車台」全体の沈下を防ぐための工事であったと考えられます。発見された「転車台」遺構は、近代沖縄の交通の歴史、建築・土木技術など、様々なことを知ることができる大変貴重な文化財です。

市長コメント

城間幹子那覇市長は定例記者会見で以下のようなコメントを発表しております。

はいたい ぐすーよー ちゅーうがなびら。
このたび、平成 27 年に旭橋再開発工事に伴い発見された、戦前の沖縄県営鉄道「転車台」遺構(いこう)の移設、保存工事が終了し、6月1日より、那覇バスターミナルに隣接する交通広場において、一般公開の運びとなりましたことを市民・県民の皆様にお知らせします。
「転車台」は、大正3年に開業した沖縄県営鉄道の機関車を方向転換させる回転台であり、県内では唯一那覇駅に設置されていたと言われています。発見時は、沖縄戦でかなり破壊されていたものの、幸い形状や規模がわかる状態で残っており、今般、旭橋都市再開発株式会社様、沖縄都市モノレール株式会社様のご理解とご協力を得ながら、移設・保存が叶いましたことを大変嬉しく思っております。
沖縄の鉄道・交通の歴史を物語るうえで大変貴重な文化財である「転車台」。遺構をご覧になり、「ケービン鉄道」と呼ばれ、人々から親しまれていた沖縄の鉄道が悠々と走る姿に思いを馳せていただけましたら、幸いでございます。
「転車台」遺構が、戦前から今日(こんにち)を通して交通の要衝(ようしょう)である交通広場の「シンボル」となり、鉄道ファンをはじめ多くの皆様に親しまれることを願って、今後とも保存・活用に努めてまいりますので、ゆたさるぐとぅ うにげーさびら。
いっぺー にふぇーでーびる。

引用:那覇市役所-沖縄県営鉄道「転車台」遺構の一般公開-市長コメント(PDF)

ぜひ、みなさんも見に行っては?

記事中の情報

那覇市役所:沖縄県営鉄道「転車台」遺構の一般公開について
2019/05/11更新:軽便鉄道那覇駅の転車台は移設保存へ。与那原線の遺構も併せて紹介。
2019/05/18更新:軽便鉄道那覇駅の転車台に関する続報

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この記事を書いた人
まぁびぃ

ハンドルネーム:まぁびぃ。
1995年1月30日、沖縄県那覇市出身。
2007年から2017年までは、Amebaでブログ運営をしていました。
現在は、WordPressで運営しています。
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