直近2つの記事で、那覇市公共交通網形成計画(骨子案)やLRT素案について書いてきました。ぜひご覧ください。
この記事では、那覇市LRT素案について、筆者である僕がどう考えているのか書いていきます。
反対
市民説明会の質疑応答や、ネットにある意見を踏まえながら、僕なりに導いた見解は、現行のLRT素案について、率直に言えば「反対」です。
その理由を述べていきます。
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- LRT導入は安価とされているが、3つのルート素案では1kmあたり約60億円~約80億円かかると試算されている。言うほど安価ではない。
- ルート素案を見てもそうだし、「既存の道路空間の再配分で用地を確保をする」と説明会で述べていたように、すでにある程度の幅員のある県道・市道を使うのなら、もう少し安価に別の方法で交通課題の是正ができるはず。再考してみてほしい。
- LRT導入で真和志地域の公共交通不便地域解消を謳うのは無理がある。本当に不便な地域はLRT通れないし、素案見ても通らない。(フィーダー交通での解消でしょ?)
- 那覇のまちづくりの観点からルートを策定したのは理解できるが、周辺市町村との広域連携に前向きとは思えない。
- 約20年前に翁長雄志氏が公約で描いていた、国際通り周辺の路面電車計画が、月日とともに変化し、現在のLRT計画に繋がっているように見えるが、その推移の中で「LRTありき」になってはいないか?
- 現時点で、ハード交付金の確保に苦慮し、インフラ整備に遅れが生じている行政が、LRTの予算を確保できるのか?
- そのハード交付金削減の煽りを食い、各市町村でインフラ整備に遅れが生じている。それを鑑みるに、ハード交付金からLRTの線路や電停の予算を確保するは、事業の長期化・停滞が目に見える。
ありかも?
LRT導入すべてに反対というわけではなく、広域連携、特に南風原町・与那原町を含めた、国道329号線上におけるLRT導入ならやってもいいのかなぁと思います。(路線バスがあるけどね)
具体的には、トラムで未来をつくる会が2010年8月に策定したLRT導入計画(案)「③ 国道329号ルート那覇市旭橋~与那原街道ルート(約 11.5Km)」は良い案に思えます。
与那原町の「地域総合交通戦略」をみても、東浜地域(MICE)でのLRT導入に前向きだと見えます。
また、国道なら用地確保も市内素案よりは苦慮しないだろうし、予算の面でも高割合での補助を見込めるのではないでしょうか?(県・国が舵取りするべき?沖縄鉄軌道計画と合わせて、国に投げかけてみてほしい。)
※この案で、那覇市の交通課題が解決するとは思えないですが。
あと、2008年2月那覇市議会定例会での答弁で「モノレールとLRTを結びつけながら環状線にしていく」「仮に本市内に約14㎞のLRTを導入した場合、概算事業費として約320億円、1㎞当たりに換算すると約23億円」とありました。
この答弁の内容と事業費で、市内LRTが進められるのなら、大賛成です。(絶対無理でしょうね)
進めてほしい
勿論、那覇市公共交通網形成計画(骨子案)の序盤に掲載されている、フィーダー交通やデマンド、「交通に対する意識改革」「公共交通利用環境の向上・充実」「多様な移動手段の利用環境の向上・充実」「体系的な道路網の整備」などなど、素晴らしい取り組みもあるので、それらは進めていってほしい。
ただ、話が現行素案のLRT(真和志地域の交通課題是正などの導入意義や費用対効果)になった途端、胡散臭さが否めません。
追記(2020/01/03)
那覇市に意見書を提出しました。
名前:〇〇○
住所:〇〇○
電話番号:〇〇○網形成計画(骨子案)の「目標達成のための施策」などの取り組みは良いと思いますが、「なぜLRTなのか?」その導入意義は正直破綻しています。
以下、その理由を述べます。1,「LRT計画の推移」
過去の那覇市議会会議録から遡り、推移を調べてみました。
約20年前、平成21年、当時の那覇市長 翁長雄志氏が政策で取り上げたのが、ことの始まりのように思います。
平成13年2月定例会(3月7日)で、翁長氏は「国際通り、平和通り等を路面電車やあるいはまた小型バス等で結べないだろうか」と述べています。
また、平成16年12月定例会(12月1日)の市長就任あいさつでは「新世代路面電車の敷設」、2004年~2005年の間は、新都心から国際通りまでを結ぶLRT構想を仮の話として答弁しています。
それが、2008年あたりから「国際通りと周辺部の新都心や真和志地域等を結ぶルート」と範囲が広がり、城間幹子市長が就任してからは、真和志地域を重視したLRT計画へと推移しているように見えました。
月日とともに、計画を見直すことは素晴らしいことと思いますが、この過程において、「LRTありき」「LRTは決定事項」になってはいないでしょうか?2,「建設コスト・安価の面」
LRT導入にあたり、最初に語られる「建設コスト・安価」ですが、3つの素案ルートでは、約4.8km~約6.6kmの想定距離で、約322億円~約529億円と試算されています。
1kmあたりの事業費は約67億円~約80億円となり、本来あるべき20億円~30億円とする姿からは大きく逸脱しています。(もはや ゆいレールに近い)
平成20年2月定例会(3月3日)で、都市計画部長は「仮に本市内に約14㎞のLRTを導入した場合のケーススタディを行っております。その場合、概算事業費として約320億円、1㎞当たりに換算すると約23億円と試算されており、かなりの建設資金を必要とします。」と答弁されていました。
平成20年の段階と現在の素案では、1kmあたりの事業費が2倍~3倍以上になっています。3,「LRT導入で真和志地域の公共交通不便地域解消は微々たるもの」
本当に不便な地域は、狭隘な道路であり、起伏や勾配がある地域です。市民説明会でも述べていたように、LRTは「既存の道路空間の再配分で用地の確保をする」のであれば、すでにそれなりに幅員のある県道・市道なのであって、真の公共交通不便地域とは言えません。
市長選や市議会でも、LRT導入意義は、真和志地域の公共交通不便地域解消の観点から導入するとしていたように見えますが、最近は「中心市街地と真和志地域の東西方向を結ぶ基幹的公共交通」とその導入意義がはぐらかされています。4,「広域連携に前向きではない」
那覇市のまちづくりの視点から、ルート素案を策定したのは理解できますが、周辺市町村との連携に前向きとは思えません。
骨子案でも、広域連携について記述されていますし、市民説明会でも「広域連携は重要」としながらも、志しが感じられません。
与那原町は東浜地域でのLRT導入に前向きです。豊見城市もLRTについて計画があるようです。そことの連携を切り捨ててはいけません。5,「予算確保」
現時点で、ハード交付金は削減され、予算確保に苦慮し、真和志線街路事業などのインフラ整備に遅れが生じています。
各市町村でも、ハード交付金を活用したインフラ整備に遅れが生じている現状から鑑みるに、ハード交付金から線路・電停の予算を確保するのは、計画の長期化・停滞が目に見えます。以上の理由で、LRT計画には反対の立場です。
ある程度の幅員のある道路空間の再配分なら、もっと安価な手段で交通課題の是正ができるはずです。ぜひ再考してみてほしい。
LRTありきの決定事項で物事が進んでいるとしか思えません。また、LRTの計画が、市民に伝わっているかといえば、正直微妙です。
知らない間に、あれよあれよと突き進んでいるように思います。その点も危惧しています。
令和2年1月10日まで、那覇市は意見書を募集しています。
詳しくはこちら
記事中の情報
那覇市地域公共交通網形成計画について→こちら
2019/12/30更新:那覇市LRTに関する市議会会議録をまとめてみる。
2019/12/28更新:那覇に次世代型路面電車?地域公共交通網形成計画(骨子案)に関する市民説明会
コメント
LRTの運行よりも車による自動運転で県内の企業と市町村がが連携できるモデルを構築
観光と地元民が公共の乗物で県内のどこでも行ける用な案を作り、単独で那覇市だけがLRT計画でなく県内の住民が使えるシステムづくりを
LRTの真和志地区は高低差と道路拡張や鉄路埋設によも、自動運転でどこでも止まれって、乗り降りできる道路整備のほうが市の負担は道路管理だけで済む、渋滞解消のための拡幅や駐車帯の整備費用等だけ、しかしLRTを走らせるLRT電車は無人運転しても維持管理費と保守費用や耐用年数移行時の多額の新たな費用と鉄路線の維持管理補修費清掃費が市の負担が新たに市庁舎内で新たな役所と造り人員配備に収入管理費用や経費管理費等が新たにかかる、
全自動運転車の購入と更新費用は個人や法人企業負担の県内のバスやタクシー事業者、レンタカー事業者に出してもらい運営も委託する県内一律の運営方法をと取るなど地域に合わせた特徴などをとれるまた、地域内でコミニュティー事業者等で格安の市民サービスセンターなどの
特性も踏まえた市民サービスも出来る